「契約不適合責任」のポイントをわかりやすく解説

「契約不適合責任」のポイントをわかりやすく解説

2022年4月15日
クラスイエ

不動産の売買の際の、
 「契約不適合責任」
について、知りたい。

こんなテーマに関する記事です。

クラスイエ

「契約不適合責任」は、2020年4月1日の改正民法にともなって導入された考え方になります。不動産の取引においても、重要な考え方になります。その内容のついてわかりやすく説明しています。


クラスイエ

契約不適合責任とは、
 2020年4月1日の改正民法
にともなって、改められた考え方です。

売買した不動産に不具合があった場合は、従来は、
 「瑕疵担保責任」
という考え方で対処していましたが、これが、改正後は、
 「契約不適合責任」
に変更になっています。

ちょっと、わかりづらいのですが、考え方の違いは、
 これまでは、ローマ法を根底としたヨーロッパ法(明治時代に導入)で、基本、現状の状態のものを取引する
という内容だったのが、改正後は、
 買主の契約目的に沿って、契約内容がそれに合致しているかで判断するというアメリカ法的な考え
に変更になっています。
 

結果的には、改正前と比較すると、
 その物件が、買主の契約目的に沿った内容になっているかということが重要視
されることで、
 買主に有利な内容
になりました。

また、従来の瑕疵担保責任と同様に、法的には、任意規定と呼ばれるものですので、契約書の特約事項(容認事項)として、
 免責(普通なら負うべき責任を問わずに許すこと)
をつけることができます。

【契約不適合責任を免責とする際のポイント】

契約不適合責任を免責にする際には、契約書に、
 免責の対象
および
 免責内容
を具体的に記載します。
それらを記載することで、買主がその条件で売買したことが明確になるということになります。

また、同様に、契約書の特約事項(容認事項)として、
 「契約不適合責任」の期間
も記載します。
期間の記載がないと、売主側にとってのリスクとなってしまいます。

下記に、「契約不適合責任」の説明および注意点について記載します。

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契約不適合責任とは?

クラスイエ

契約不適合責任の意味合いとしては、
 契約の目的物の「種類」「数量」「品質」
のいづれかについて
 契約内容との間に相違があった場合に、売主が買主に対して負担する法的責任を負う
というものです。

具体的には、住宅の場合、
 「品質」
が重要になってきます。

ここでいう「品質」は、
 住居としての品質
となりますので、例えば、
 雨漏り、傾き、インフラ面の不具合
など、生活に支障がでるような内容であったり、
 平穏な生活をするのに、障害となること
があると、
 「品質」を満たさない
ということになります。

その場合、買主は、売主に、
 「損害賠償請求」
 「契約の解除」
 「履行の追完請求」
 「代金減額請求」

を求めることができることになっています。

契約不適合責任の判断基準

クラスイエ

契約不適合責任の判断基準について、従来の瑕疵担保責任との比較でみていきましょう。

従来の瑕疵担保責任について

従来の「瑕疵担保責任」では、基本、売主は、
 隠れた瑕疵(不具合)
について責任を持つということになっていました。
法的な解釈としては、
 契約締結時点において、買主が瑕疵の存在について善意無過失(「注意していた」にもかかわらず、知らなかった」
ということが要件になっていました。

つまり、売主も買主も、隠れた箇所の不具合は、事前に知りようがないので、契約後、隠れた瑕疵が見つかった場合、売主が責任を持つという考え方です。

契約不適合責任について

契約不適合責任の場合は、
 目的物が契約内容に適合しているかどうか
によって判断されることになります。

例えば、注文住宅の場合、
 契約内容に記載している仕様
と、
 実際の建物
が合致していない場合は、上記に記載したような請求を行うことになります。

注文住宅の場合は、わかりやすいですね。
新築マンションの場合も、仕様が決まっているので、同様にわかりやすいです。

問題は、
 中古物件
の場合です。
特に、中古戸建の場合は、雨漏りや、傾きなどの主要な部分の不具合のリスクもあります。
その場合、どのように対処するかが重要になります。

中古物件の対応方法

クラスイエ

中古物件の場合、経年劣化や、場合によっては、傾きや、雨漏りがある物件も存在します。
その場合の対処としては、特約として、
 「契約不適合責任」の免責
という方法になります。

「瑕疵担保責任」の場合も、免責での対応をするケースがありましたが、「契約不適合責任」の場合も、法的には、
 任意規定
と呼ばれるものですので、
 免責の対象となるもの

 免責の内容
を特約事項(容認事項)として売買契約書に記載し、買主の合意のもと、契約を取り交わすという対応になります。

また、「契約不適合責任」の期間に関しても、従来の「瑕疵担保責任」の場合と同様に、
 売買契約書に、その期間
を記載することで対処します。

期間に関しては、2~3カ月が一般的です。

また、設備に関しても、「契約不適合責任」の免責の対象にしている場合が多いです。

「契約不適合責任」の期間

クラスイエ

「契約不適合責任」の期間についての記載が無い場合は、
 責任期間は原則として、「不適合を知った時から1年」(民法第566条、第637条第1項)
となります。

また、買主の契約不適合責任に基づく請求自体には、「時効」があり、
 追完請求等を行使できることを知ったときから5年間
(追完請求等を行使できることを知らない場合は10年間)

で時効消滅します。

5年とか、10年とかの期間は、現実的ではありません。
仮に、一般住宅で、5年後に契約不適合責任の請求をしても、スムーズに対処するのは難しいでしょう。

であれば、契約段階で、免責や期間の特約を入れて、
 その条件で売買するかの判断
をすることが現実的と言えるでしょう。

ですので、売主、買主とも、
 契約前に、どのような条件で契約を行うか
をしっかりと確認しておく必要があります。

「契約不適合責任」の免責が認められない場合

クラスイエ

下記のケースでは、「契約不適合責任」の免責が認められませんので、注意が必要です。

売主が、物件の不具合を知りながら、買主に告げなかった場合

稀に、物件の不具合を知りながら、それを隠すような売主さんがおられます。
それは、NGです。
結局、トラブルに発展しますし、法的には、結果的に、買主さんからの請求に応じることになり、金銭的な支出が発生します。

最初から、正直に、認識していることを伝え、また、その内容を契約書に記載するようにしましょう。

売主が宅建業者の場合

物件によっては、業者が売主の場合もあります。
この場合は、
 物件の引き渡しから2年未満
は、業者が「契約不適合責任」を負います。
ですので、仮に、契約書に、「契約不適合責任」の免責の記載があったとしても、無効になります。

宅地建物取引業法第40条第1項
「引き渡しから2年以上」とする特約以外の、買主に不利となる民法566条に関する特約をすることはできません。

まとめ

クラスイエ

「契約不適合責任」については、
 契約内容に適合していない場合
に、
 買主が売主に「損害賠償請求」等ができる内容
となっています。

ただ、物件に不具合がある場合は、
 売買契約の特約事項(容認事項)
に、
 その内容と免責事項
の記載があります。

ですので、売主さん、買主さんとも、売買契約の取り交わしの際には、
 「契約不適合責任」に関する内容
をしっかり確認してから、署名、捺印をするにようにしましょう。
このことは、非常に重要な事項です。

以上、「契約不適合責任」のポイントについてでした。

クラスイエ