店舗を、サブリースで借りる際の、
注意点
があれば知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
サブリースの契約には、いくつかの注意点があります。ここでは、店舗のサブリース(転貸)についての注意点についてわかりやすく説明しています。
サブリースとは、いわゆる、
転貸
のことです。
わかりやすく言うと、
又貸し
です。
サブリースの場合、契約上、
(1)物件オーナーとサブリース業者が賃貸契約の取り交わし
を行い、その後に、
(2)サブリース業者と、借り手が、賃貸契約(転貸の契約)の取り交わし
を行います。
(1)の契約を、
マスター契約(特定賃貸借契約)
と言い、
(2)の契約を、
サブリース契約(転貸契約)
と言います。
サブリース形態の物件の多くは、
賃貸住宅物件
になります。
いわゆる、〇〇建託や、〇〇コーポレーションといった、
アパート建築 プラス、一括借り上げ
を展開している会社の物件です。
ただ、
店舗物件
においても、サブリース物件があります。
店舗のサブリース物件には、賃貸住宅のサブリース物件と同様に、
注意点
があります。
また、
物件オーナー側(貸主)
と、
物件を借りる側(借主)
のそれぞれで、そのポイントも異なってきます。
下記に順に説明していきます。
物件オーナー側(貸主)の注意点
賃料に関して
サブリースの場合、
契約期間内において、空室の場合でも、賃料収入がある
というメリットがあります。
但し、その分、物件オーナーとサブリース業者間の契約において、
賃料が低めに設定される場合
が多くなります。
サブリース業者の立場からすると、空室リスクもありますので、それを考慮した金額設定となります。
物件オーナー側は、そういった点を踏まえての判断になります。
また、サブリースでトラブルになりやすい事項として、
契約期間内で、サブリース業者の判断で、賃料が変更になるケース
があります。
また、退去時の修繕などの場合も、依頼する先の縛り(条件)があり、その金額が相場よりかなり高額な設定がなされてるようなケースがあります。
これは、マスター契約(特定賃貸借契約)上、どのように記載されているかによります。
※ちなみに、
賃貸住宅のサブリース物件
においては、このことが、社会問題になってるという状況があります。
同様のことが、店舗のサブリースにおいても、トラブルになる可能性がある為、
マスター契約(特定賃貸借契約)
を取り交わす際には、賃料の設定や、修繕時などコストがかかる箇所に関する条件を、しっかりと確認することが必要となります。
【参考】サブリース新法に関して
賃貸住宅におけるサブリリースのトラブルに関しては、それらを改善する目的で、
サブリース新法と呼ばれる法律
が、2020年12月15日から施行されています。
サブリース業者に関して
通常、不動産会社が、サブリース物件を扱うことになります。
不動産会社については、様々な会社があります。
信用できる会社であればいいのですが、実際、いい加減な対応をする会社もあります。
正直、ピンキリです。
ですので、物件をサブリースで運用するようなケースでは、
信用できる不動産会社かどうか
をしっかりと見極める必要があります。
物件を借りる側(借主)の注意点
契約条件に関して
店舗をサブリースで借りる際には、
契約条件がどうなっているか
をしっかりとチェックする必要があります。
特に、
仮に、物件オーナーとサブリース業者のマスター契約(特定賃貸借契約)が終了した際
にも、
借主の賃貸条件が、継続されるかどうか(保護されるか)
が、重要な問題になってきます。
サブリース物件の場合、いわゆる、
親ガメ;マスター契約(特定賃貸借契約)
子ガメ;サブリース契約(転貸契約)
の関係で、
マスター契約の上に、サブリース契約がある
という位置関係になります。
ですので、原則的な考え方は、
マスター契約が終了すれば、サブリース契約も終了する
ということになります。
ただ、そうなると、
借主(店舗の借り手)を保護する
という配慮に欠ける為、過去の判例では、借主に落ち度がない場合など、一定の場合において、転借人の保護を図っています。
ただ、マスター契約が終了した場合の対応に関しては、事前に、確認しておくことが望ましいと言えます。
また、敷金や保証金の扱いも、明確にしておく必要があります。
具体的には、下記の方法があります。
マスター契約(特定賃貸借契約)が終了した際に、
「物件を借りる人」の地位の承継に関する規定があるかどうか
を確認する。その際、
「マスター契約」と、「サブリース契約」の両方の書面
を確認する。
もしくは、
新たに、マスター契約(特定賃貸借契約)が終了した際の対応がどうなるかについて、
3者間で、書面の取り交わしを行っておく
という方法で対処する。
「造作売買契約」に関して
店舗のサブリースに関しては、
居抜き物件
のケースがあります。
その場合、造作や、設備などをそのまま使うということになります。
その際に、
「造作売買契約」
を取り交わして、それらを買い取るという内容の契約を取り交わすことになります。
その際に、
その契約の対象物と、条件(金額面)
に関して、しっかりとチェックする必要があります。
「現状回復義務」に関して
店舗を借りていて、その物件を退去する際には、通常、
「現状回復義務」
が発生します。
つまり、備品や内装を全て撤去して、スケルトンの状態に戻します。
その際に、それなりの費用が発生します。
ただ、借りる際に、居抜き物件として借りた場合、退去の際にも、そのまま、居抜きの状態で退去するという場合も想定できます。
いずれにしても、退去の際に、どのような対処をするのかについて、
契約書面でどのように記載されているのか
を必ずチェックしておく必要があります。
条件があわなければ、事前に交渉するなどの対応をしてもいいでしょう。
いずれにしても、あとで、借り手に不利にならないように、
契約の取り交わしの際には、その内容を細かくチェックする
ということが重要になります。
サブリース業者に関して
上記にも記載したように、
不動産会社のレベルは、ピンキリ
です。
ですので、サブリースに限らず、物件の契約をする際には、
その不動産会社がしっかりした会社かどうか
をチェックしましょう。
サブリース物件の場合、悪質なケースでは、
物件オーナーとのマスター契約の取り交わしをしていない
のに、物件の募集をかけているような事例もあります。
また、いい加減な対応をする会社の場合は、契約書の内容がもとになって、のちのち、トラブルになるリスクも発生しますので、注意が必要です。
まとめ
サブリースで店舗を借りる際には、通常の賃貸借契約とは異なる注意点があります。
ですので、いくら物件の賃料が良くても、
契約の条件がどうなっているのか
あるいは、
物件を扱っている不動産会社が信頼できる先かどうか
をしっかりと見極めて、契約を取り交わすことが大切と言えます。
また、消費者庁の下記ページも参考になります。
対象が賃貸住宅物件ではありますが、サブリースという仕組みは同じですので、同様の観点でチェックすると良いでしょう。
以上、「店舗物件のサブリースの注意点」についてでした。